LOVEPAIN⑥


「この子の名前は?」


私は屈み込み、
その子猫の頭を撫でる



気持ち良さそうに、
目を細めていて



本当に、たまらなく可愛い!!




「名前は、まだ決めてねぇ」



「え?そうなんですか?」



名前を決めてないくらいに、

最近、飼い始めたのだろうか?




「夕べ、こいつを拾っちまって」



「この子、拾ったんですか?

しかも、夕べ…」



誰かに捨てられたのかな?


それとも、母猫とはぐれたのか?




「夕べ、ダチと飲んでて。
帰り、駅からふらふら帰ってたら。
ほら、あのデカイマンションの前で、こいつ見付けて。

こいつ、道路歩いてやがって、
車とか危ねぇだろ?」



「あ、はい」



篤が言っているのは、

多分、あの辺りだな?
と私は想像した



あのマンションの前の道路



夜は時々しか車は通らないけど、

こんな小さな子猫があの暗い道を歩いていたら、
車に轢かれてしまうかもしれない




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