LOVEPAIN⑥
「それによ、夕べ寒かったからよ。
とりあえず連れ帰ったんだが…」
もしかして、
保護したこの子猫を、
私に飼ってくれって話だろうか?
「ニャー」
私を大きな丸い目で、
見上げて来る
うん
私がこの子を、飼おう
「で、よ。
お前に頼みがあって…」
「はい!私は構いませんよ。
私、猫好きなので、ちゃんと育てます。
飼った事はないですけど、
昔近所の猫とよく遊んでたんで」
後で、猫の飼い方の本を、
本屋に買いに行こう
「お前、少し勘違いしてんだろ」
「勘違い…ですか?」
「こいつを飼うのは、
俺だ」
篤も屈み込み、
子猫の体を撫でる
その力は強くて……
「ニャー!!」
「いってぇ、
こいつ、俺の手引っ掻きやがった」
チッ、と舌打ちしているけど、
本気では怒ってはいない
「こいつを拾ったのは、俺だ。
だから、俺が責任持って飼う。
幸い、このマンションペット飼ってもいいみたいだからよ」
「そうなんですね。
では、私にお願いってなんですか?」
この子を飼ってくれでも、
飼い主を捜してくれとかの類いでもないみたいだし、
一体?