LOVEPAIN⑥
「俺、けっこう部屋に居ねぇから。
仕事で、遅くなる時も多いし、
遊びに行って、
部屋に帰って来ない事もある」
「あ、はい」
隣に住んでいる私は、
なんとなく生活音からそんな篤の日常を知っている
時々、帰って来ない夜もある
「だから、この部屋に俺が居ねぇ時とか、
お前の負担にならない程度で、
こいつに会いに来てやってくんねぇか?」
「篤さんが仕事の時や、
遊びに行ってる時に、
私がこの子に会いにですか?」
「ああ。仕事は休めねぇけど、
遊びに行ったりは減らすから。
こいつ、部屋でずっと独りで可哀想だからよ」
篤は再び、子猫の体を撫でている
その強い力に子猫も慣れたのか、
床に寝転び始めた