LOVEPAIN⑥


「俺、けっこう部屋に居ねぇから。

仕事で、遅くなる時も多いし、
遊びに行って、
部屋に帰って来ない事もある」



「あ、はい」


隣に住んでいる私は、

なんとなく生活音からそんな篤の日常を知っている


時々、帰って来ない夜もある





「だから、この部屋に俺が居ねぇ時とか、
お前の負担にならない程度で、

こいつに会いに来てやってくんねぇか?」



「篤さんが仕事の時や、
遊びに行ってる時に、

私がこの子に会いにですか?」



「ああ。仕事は休めねぇけど、
遊びに行ったりは減らすから。

こいつ、部屋でずっと独りで可哀想だからよ」


篤は再び、子猫の体を撫でている


その強い力に子猫も慣れたのか、
床に寝転び始めた


< 131 / 501 >

この作品をシェア

pagetop