LOVEPAIN⑥
「私はどうすればいいですか?
篤さんが居ない時は、
この部屋に入れないですし」
「それは、合鍵渡す」
篤は既に用意していたのか、
スーツのポケットから鍵を取り出し床の上に置いた
「けど、私なんかに任せて、
いいのですか?」
子猫の面倒だけじゃなくて、
合鍵迄貰って篤の部屋を勝手に出入りするなんて
「ああ。
お前がちょうどいい。
隣で近いのもそうだが。
横に住んでるお前なら、
俺が部屋に居るか居ないか、
分かんだろ?」
それって、壁を通して生活音が聞こえるかどうかで、
在宅を確認出来るだろ、
と言う事なのだろうけど
私が篤の存在をその音で感じていたように、
逆に篤にも私の部屋の音が聞こえていたんだ
「それに、お前、
世間一般の働いてる奴らに比べたら、暇だろ?」
「あ、はい…」
今も私が働いているのは、
月に10日以下
それに、プライベートもそれ程忙しくもない
「あの、私、週に一度は夜部屋に帰って来ないですよ。
あっ、でも、昼間や夕方は仕事が無ければ、来ます」
それは、初めに伝えていた方がいいだろう
週に一回は必ず、
ナツキの部屋に泊まっている事を