LOVEPAIN⑥
「篤さん…」
「あ、なんだ?」
私が名前を呼んだから、
こちらを向いた篤と目が合うけど
私も、何故、
篤の名を呼んだのかよく分からない
何が言いたかった、のかも
ただ、何かを否定したかった
篤に、それは違うんだ、
って
「特に何が言いたかったのか、
忘れちゃいました」
私は視線を子猫に向けて、
寝転んでいるその体を撫でる
小さくて、痩せていて、
本当に大切にしてあげないといけないな