LOVEPAIN⑥
「トイレも砂入れて一応セットしたんだが。
さっき、その辺りの床でしやがったから、
まだちゃんと出来ねぇかもしんねぇが。
もし、そうでも、
お前、花子の事怒んじゃねーぞ」
「あ、はいっ。
その時は、適当に掃除しておきます。
私が居ない時ならば、
無理ですが」
篤がそんなにも動物に優しいなんて、
意外だな…
「ああ。
べつに、ずっと此処に居ろってわけじゃねーから。
たまに、花子の相手してやってくれたら」
「あ、はい」
「じゃ、行って来るわ」
篤が立ち上がり玄関の方へ歩いて行くと、
花子はその後を追って付いて行く
「ニャーニャーニャーニャーニャーニャー!!」
その姿は、見ていて微笑ましい
「花子、行ってくんな。
早く帰ってくっから」
別人のような優しい声で篤はそう言い残して、
部屋から出て行った