LOVEPAIN⑥


『ケータイ、音消してたわけ?
俺、3回も掛けたのに気付かないなんて。

それに、こんな時間迄寝てたの?』




やはり勘がいいからか、

私の嘘は
そう簡単に信じてくれない



それに、いつもならば電話に出られ無い事があっても、

そこ迄追及されないのに




「音消してたみたい。

それに、夕べ貰った睡眠薬飲んだからか、
ぐっすり、と…」



音を消していたのは嘘だけど


睡眠薬を飲んでぐっすりは、本当



篤が訪ねて来なかったら、

私は今も眠っていたかもしれない



そして、ナツキからの電話で、

起きたかもしれないが




『そっか。
ゆっくりと眠れたのなら、
良かった』


そんな風に優しい声で言われて、

嘘を付いている事の後ろめたさから、
胸が罪悪感で痛くなる




先程迄追及されて、
ナツキに対して少し嫌だな、
と思っていたけど


そうやって、優しくされたら


ナツキに対して、
本当に悪いような気がする



最近は、前みたいにナツキに優しくされたら嬉しいと感じる事が減り、

辛くなる事ばかり


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