LOVEPAIN⑥
「――すみません」
もうどうでもよくて、
とにかく謝ってしまう
謝って済めば、
どうだっていい
何に対して謝っているのかさえも、
よく分からないけど
「佐藤さん。すみません。
広子、スタッフの人達に挨拶して、
さっさと帰るぞ」
成瀬は私に近寄って来ると、
悔しくて俯いている私の腕を引いた
佐藤雲雀よりかは、
その掴む力は優しかったけど、
成瀬が少し怒っているのがそれで分かった
私に対して、怒っている
それとも、もしかしたら、
と少し思ってしまう
妬いてくれているのだろうか