LOVEPAIN⑥
「どっちが本当でも、
もうどうでもいい」
成瀬は佐藤雲雀の首を、
そのボーダーのシャツの襟元で絞めてしまうんじゃないかと思うくらいに、
その手に力が入っている
佐藤雲雀は苦しさから顔を歪めているのに、
口元はうっすらと笑っている
それが本当に、不気味
「成瀬さん、ダメ!!」
成瀬を必死に佐藤雲雀から引き離そうとその背から腕を回して引くが、
ビクともしない
「あんた、俺にこんな事したらどうなるか、
分かってんの?」
私が心配した事が、
佐藤雲雀の本来の目的だったんだ
きっと佐藤雲雀の事務所とかは大きくて、
成瀬に対して何かしら圧力を掛けて来るかもしれない
それよりも、
傷害で訴えられたら?
そうなったら、
私も佐藤雲雀にされた事を暴露してやろうと思ったけど
私の言う事を、
信じて貰えないかもしれない
“――言ってみろよ?
誰がお前の言う事信じんだよ。
俺がAV女優のお前を襲ったって――”
いつか言われた佐藤雲雀の言葉の、
その通りで