LOVEPAIN⑥


「だったら、お前も二度と人前に出れねぇ面にして――」



「雲雀っ!!」



廊下の先から慌ててこちらに走って来たのは、

佐藤雲雀のマネージャーの

確か金城(カネシロ)と言う男性


撮影の合間、
佐藤雲雀が彼をそう呼んでいた




成瀬の力がそれで緩んで、

佐藤雲雀は深く乱れた呼吸で、

背が壁を伝い、
足元から崩れて行く



少し首が絞まっていたからか、

今も息遣いが苦しそう




「あなた達、
一体雲雀に何してるんですか?」


その金城さんの口調は咎めるようで、

掛けている眼鏡の奥の目が冷たく尖っている



このマネージャーも、
私は苦手



歳は30代前半くらいで、
見るからにいい大学を出ました、
って感じの雰囲気で

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