LOVEPAIN⑥


秋原慎太郎は撮影に使ったベッドに腰を下ろしていて、

その周りを数人のスタッフの人達が囲んでいた



楽しそうに、
輪になって談笑している





「あ、おつかれさま」


私達に気付いた秋原慎太郎は会話を中断して、

声を掛けてくれる




「おつかれさまです。

皆さんも、今日は本当にお世話になりました」


私は秋原慎太郎だけではなくて、

周りのスタッフの人達にも声を掛けた





「広子ちゃんは、もう帰る?」



「あ、はい」




秋原慎太郎にそう訊かれて、
そう答えたが



なんで、そんな事を訊いて来るのか?




「じゃあ、俺も帰ろ。

広子ちゃん、自宅迄送ってってあげる」



「え、いや、いいです!」


突然のその申し出に驚いて断ってしまうが、

冷静に考えても、
それはいらない



成瀬がいつものように、
送ってくれるし



それに、私はこの後ナツキの部屋に直接行く予定だし





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