LOVEPAIN⑥
「もしも、秋原さんと寝たら、
私に何かメリットが有ります?」
「メリット?
うーん。
じゃあ、広子ちゃんのお願い、
1つだけなんでも聞いてあげよっかな」
お願い、か
特に、私自身は秋原慎太郎に何かを望む事はない
なので、成瀬が望む事を、
お願いしよう
もっと私の名を広めて欲しいと
この車に乗った時点で、
もう断れない事は決まっていたのだと思う
成瀬が望むのならば、
私は彼の望むようにそうするだけ
そして、成瀬のせいでそうやって傷付いた私を見て、
ほんの少しでも成瀬が罪悪感を感じて、
私の存在を強く感じて欲しい
私があなたの為にそこ迄するんだ、って
そして、私は自分で自分を傷付け傷付いてボロボロになって
もしもまた私が、
卒業式の時のようにどん底迄傷付いて堕ちたら、
彼はもう一度私に手を差し伸べてくれるのではないか?
成瀬と芽衣子さんの関係を決して壊したいわけじゃないのに、
今もどこかでそんな事を考えてしまう