LOVEPAIN⑥
リビングに置きっぱなしになっている鞄を拾い、
パノラマウィンドウからの景色をもう一度眺めた
先程とは違い、
リビングの電気が消えているから、
さらに夜景が綺麗に見えた
こんなにも苦しく切なくなったのは、
この綺麗な夜景を見たせいかもしれない
自分のしている事の汚さやくだらなさに、
心底嫌気が差してしまった
こんな事をしている自分の愚かさを分かっていても、
私はそれを変える事なんて出来ないのに
この先も、私はAV女優であり続ける
AVの仕事にプライドやお金等の事情や目的が有れば、
また別なのかもしれないけど
私には、ない
AVの仕事に何のプライドもなければ、
今の私はお金を必要とする事もない
体を商品にしなければいけない、
どうしても、の理由なんてない
ずっとこの夜景を見ていたらまた泣けて来るから、
もう見ない
私は鞄をしっかりと持ち、
秋原慎太郎の部屋から出た