LOVEPAIN⑥
「あなたが望んだように、
私はちゃんと秋原慎太郎に抱かれましたよ?」
先程、散々泣いたのに、
また涙が溢れて来た
成瀬が息を飲み、
口を閉ざしたのが電話越しでも伝わって来た
「成瀬さんが望んだように、
ちゃんと」
『そう。
それはご苦労さん』
その言葉に、
さらに涙が溢れて来てしまう
自分が成瀬にとって、
どの程度の存在なのかを確信してしまったから
「私、タクシーに乗るんで。
電話、切ります」
私はそう言うと、
成瀬の返事を待たずに電話を切った