LOVEPAIN⑥
ラジオ


翌日



ベッドに寝転びながら、

涼雅から借りているiPodのイヤホンを耳に嵌めた




夕べはあの後なかなか眠れなくて、

飲み忘れていた睡眠薬を飲んだのが、
朝の6時前



そこから薬の力でグッスリと眠っていたからか、

またしても眠っている間に涼雅は居なくなっていた



そして、起きたのも13時を少し回っていた




私は目が覚めてから、

慌てて秋原慎太郎のラジオを聴き始めた





『――本当、今日の朝突然だったから驚いたよね』



途中からだから何の話題かは分からないけど、

秋原慎太郎の声に間違いない



夕べ、セックス中に耳元で何度もこの声で囁かれた




“広子ちゃん。
今だけ愛していい?”


そう言われ、私は頷いた



秋原慎太郎は私を抱き締めながらも、

彼が抱いていたのは私では無かった



私も、彼が成瀬ならば、と、

瞳を何度も閉じていた






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