LOVEPAIN⑥
片思い


水城薫子の結婚報道が終わっても、

そのまま呆然とテレビを観ていた



すると、充電器に挿していた携帯電話が突然鳴り出し、

意識がそちらに向く




掛けて来た相手が誰なのかは、
見なくても分かる




私は携帯電話を手にして、

そのナツキからの電話に出た





「――はい」



もしかしたら、

もうナツキから電話が掛かって来る事はないのでは?


少し、そう思っていた



それぐらいに、
私は夕べナツキを傷付けた




『広子、今何してたの?』


なのに、ナツキの声はいつものように優しかった




今日もいつもと同じような時間に、

電話をくれる





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