LOVEPAIN⑥


『そんなに、俺の事ウザイ?』



「いや、違うけど……」



ウザイ、とは違うけど



けど……




『それでも、今の広子には俺しか居ないから。

だから、淋しがりやの広子はそれでも俺から離れられない』


ナツキのその言葉は、
全てを見透かされてる




『やっぱ、今日は会わなくていいや』



「え?」



会わなくて、いいの?




『俺ももうちょっと、頭冷やす。

昨日から俺、あんま冷静じゃないみたいだから』



「うん…」



元々、ナツキは沈着冷静で、
感情に任せて行動するタイプじゃ無かったから、

昨日の行動はナツキじゃないみたいだった



だけど、こうやって関係を持ち始めたくらいから、

ナツキはそんな風に少しずつ変わったような気はする



ううん、変わったのではなく、

それが本来のナツキなのかもしれない



私の誕生日の日に、
突然会いに来てくれたり


コウジロウさんの事で傷付いた私を、

心配して会いに来てくれたり



何よりも、私を大切にしてくれる


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