LOVEPAIN⑥




「ニャー」


鳴いて、私の足に顔を擦り寄せてくる花子は、

本当に可愛い


泣けて来るくらいに、
可愛いくて仕方ない



人間って、どんな事でもその感情が大きくなり過ぎると、

泣けてしまうんだな



悲しい、嬉しい、悔しい


楽しい、痛い、辛い



何かを好き過ぎる時も……





なんだかんだで、

毎日時間を見付けては花子に会いに篤の部屋へ来ている私



篤と顔を合わせたのは、
初日だけだけど




今日も、ナツキとの電話後、昼食と洗濯物を終え、

此処に来ている





花子はトイレもすぐに覚えたみたいで、

本当に賢い子




今日来てみると、

花子の首には鈴の付いた赤い首輪がついていた


昨日は、無かったのに





リンリンリン、
と花子が歩く度にその鈴が小さく鳴って、

可愛い



篤が、花子の為に選んだんだな



私は花子のその鈴を、
指先で触り鳴らす

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