LOVEPAIN⑥
「あ!いつもの!」
「広子ちゃん!
俺の事覚えててくれたんだ!
って、毎回俺同じような事言ってるね」
「わざわざ大阪迄来てくれたんですね!」
その人は、私のデビューのイベントの時から、
この手のイベントには欠かさず来てくれている、
黄色い眼鏡を掛けた男性
私がコウジロウさんの所から、
WDSに移籍した今も変わらず応援してくれている
今回は大阪迄、
はるばると来てくれた
「俺、広子ちゃんが引退する迄、応援するから!」
「あ、はい!
ありがとうございます!」
「後、アリスちゃんも前回のイベントから、
ちょっとファンになっちゃったけど」
「あ、浮気ですねー!」
「広子ちゃん、ごめんね」
そう手を合わせて謝って来るから、
笑って拗ねてみる
そうやって、
馴染みのファンの人達とはイベントを通して仲良くなって来た
この仕事に対して、
いっさい愛着もないけど
こうやって自分を応援してくれるファンの大事さは、
本当に感じてしまう
AV女優としてでも自分を応援してくれたら、
本当に嬉しいから