LOVEPAIN⑥


「アタシはそんな風に自分の事好きな男の人に
“てめぇ”とか怒鳴られたりとかないから、

そんなのあり得ないもん!

それに、向こうに彼女居たからとかでもなく、
フリーの男に迫って手を出されないって、

その人、広子ちゃんの事よっぽど無理なんだよ」



「そう…だよね…」




立ち直れないくらいに、
落ち込んでしまいそう



べつに、篤にはこの気持ちすら打ち明ける気はないから、

落ち込む必要なんてないのに



このままひっそりと思って、

その思いが消えて行けばいいな、
って思っているから




昨日、篤はずっと眠っていて、

私はその寝顔をずっと眺めていた



眠る篤に、心の中で好きだと、
呟いたけど



篤が目を覚ます前に、
私は篤の部屋を出た





それにしても……



今日は私が朝早かったから、

花子に会えていない



一日会えないだけだけど、

胸がギューとなるくらいに切ない



花子に会いたいな……

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