ＬＯＶＥＰＡＩＮ⑥
「あんたムカつく」


Mioちゃんがそう言うと同時に、
二人は取っ組み合いの喧嘩になった。


私と木原さんは、そんな二人を一生懸命引き留めた。


「ちょっと胸がデカイからって！
シリコンバレバレなんだよ！」


「あんただって、昔と全然顔違うじゃん！」


Mioちゃんとアリスちゃんはその後、
お互い罵詈雑言をぶつけ合っていた。


騒ぎに気付いたお店の人が数名やって来て、
お互い少し冷静になったのか、掴み合っていた手を離したけど。


「広子ちゃんのせいだから」


Mioちゃんはそう言って、店からそのまま出て行き。


「ほんと、最悪」


アリスちゃん迄も、私にそう捨て台詞を吐いて、
店から出て行った。


「どーしよ。
広子ちゃんのせいで。
明日も仕事あるのに…」


木原さんは、Mioちゃんとアリスちゃんどちらを追いかけて行ったのかは分からないけど、
後を追うように店から出て行った。


私はため息を付きながら、
テーブルへと戻ろうとすると、
成瀬は同情するような表情で、こちらを見ていた。


成瀬の方にも、先程の騒ぎは聞こえていたのだろう。


「疲れたな」


「はい」


成瀬の言葉に、頷いた。

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