LOVEPAIN⑥

翌日の朝、ホテルのロビーで成瀬と顔を合わせると。


「あのお前の元々の部屋、スッゴい眠れるな。
こんな深く眠ったの高校の時以来かもしんない。
朝も全然起きらんなくて。
アラーム聞こえなかった。
朝も体が重くて動かなくて、もしかして金縛りだったのか」


その成瀬の言葉に、私は顔がひきつってしまう。


常用しているからか、私にはそこまでその薬の効果がなかったが、
成瀬にはあの睡眠薬は強烈に効いたみたい。


今日、寝坊したのか成瀬が一番最後にロビーに現れた。


私達だけではなく、チェックアウトを済ませて木原さんやMioちゃんやアリスちゃんも集まっている。


重い、なんて言葉じゃ足りないくらいの重い空気。


その日の仕事は、今までの仕事の中である意味一番最悪でしんどかった。


Mioちゃんもアリスちゃんも終始不機嫌で必要最低限しか話さないし、
木原さんはそんな二人に怯えて、同じく話さない。


だから、私と成瀬も口数が減り。


帰りの新幹線の三時間は、
私達誰一人一言も発しなかった。

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