LOVEPAIN⑥
「こんないいネクタイ、客から貰ったら凄く嬉しかったかも。
ありがとう、広子」


そのナツキの言葉は隠そうともしないくらいに棘があり、
一触即発のような雰囲気が私達の間に流れている。


流石に、クリスマスには喧嘩はしたくない。


それに、今日は色々とナツキと話したくて此処に来た。


最近のナツキの体の状態について。


体、というより、心なのかも。


私はそう思い、言い返したい気持ちを、飲み込んだ。



「ナツキ、私あんまり人にプレゼントする事ないから、
センスなくてごめんね」


「別に、いいネクタイだと思う。
ネイビーで深い海みたい」


ナツキはネクタイを自分に当てている。


それはとてもナツキに似合っているけど、
なんとなく、似合っていると言葉に出しにくい雰囲気。

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