LOVEPAIN⑥
最後にナツキに会った時が、
私が仕事だと嘘付いて会う事を断ったあの夜。


そして、私の部屋で待っていたナツキと顔を合わせて喧嘩をした。


その後、電話とかでそれなりに関係を修復したから、今私は此処に居るのだけど。


関係が修復出来たと思っているのは私だけなのだろうか?


「俺も広子にプレゼント買って来てる」


そう言って、ナツキはソファーの横に置いていた黒い紙袋を私に手渡した。


私はそれを受け取り、紙袋の中のラッピングされたそれを手に持った。


「開けてみて」


そう言ったナツキの声が、先程迄とは違い明るくて、
私はそのラッピングを外して、
姿を見せたその箱の蓋を開けた。


それを見た瞬間、思わずその箱を手から落としそうになった。


ナツキがくれたプレゼントは…。


「ネックレス、それ広子に似合うと思って」


「でも…」


今、私の首には誕生日に篤から貰ったネックレスがある。


ナツキだって、それを知っている。


再び、ナツキがくれたネックレスに目を向けた。


蝶を象ったチャームが付いていて、
シルバーに光っていてとても綺麗。


< 352 / 501 >

この作品をシェア

pagetop