LOVEPAIN⑥
「まぁ、ホストやってりゃあネクタイなんか客から腐る程貰ってそうだしな。
村上もそう言って、俺に何本か趣味に合わねぇネクタイやるって、くれたから。
イケメンホストにとって特別なお前からは、もっと客とは違うもんが欲しかったんだろう」


「違うもの、って何でしょうか?」



あの後色々考えたが、
時計だってナツキは何個か持っている。


それは、よく付けている500万のBVLGARIの時計以外にも。


多分、そのうちの何個かはお客さんから貰ってるやつだと思う。


それに、愛車のベンツだってお客さんから貰ってるし。


それ以外の私物だって、お客さんから貰っているモノばかりだと思う。


じゃあ、私は一体何をあげればナツキが喜んでくれたのだろうか?


「前に村上が、付き合ってる女からお揃いのパジャマ貰ってすげぇ嬉しかったって言ってた」


「お揃いの、パジャマ…」


ナツキとお揃いのパジャマを着ている所を想像してみたけど、
なんだか変だな、と思った。


パジャマじゃなくても、お揃いの品か。


確かに、お揃いの物なんか特別な相手じゃないと、プレゼントしないかもしれない。


お揃いじゃなくても、私のプレゼントには愛情がないのをナツキは感じ取ったんだな。


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