LOVEPAIN⑥
「なんか食いに行くか?
こないだあれ貰ったし、奢ってやるよ」


篤はそう言って、目線を私がクリスマスプレゼントにあげた、ペットカメラに向けた。


それは、テレビ台の上に置かれている。

「使ってくれてるんですね?」


「ああ。1日何度も見て…」


そう言うと、篤は、気まずそうに口を閉ざした。


どうしたのだろう?と思いながら、
私がこの部屋に来ていたら、このカメラに映るのか、とふと思った。


「べ、別にてめぇが来てるかどうか確認する為に、見てるわけじゃねぇからな!」


篤は立ち上がり、突然そう私を怒鳴り付ける。


「はい…」


別に篤は私に花子の世話を強要はしていないので、
そんな事でいちいちチェック入れられているとは思わないけど。


それにしても、何故、篤とは喧嘩ばかりになるのだろうか。


本当に篤とは上手く行かないのだろうと、悲しくなる。


「私、お酒が飲みたいです。
居酒屋がいいです」


なんだか、今日は飲んで飲んで全てを忘れてしまいたい。


ナツキの事も成瀬の結婚も、
篤に対する好きな気持ちも。


「あ、なら、また響屋に行くか。
流石に、また成瀬さん達に会う事はねぇだろう」


「はい。そうしましょう」

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