LOVEPAIN⑥
「にしても、今日もさみぃな」


「そうですね」


外灯に照らされた私達の息が白い。


もう年の瀬、まだ夕方なのにけっこう暗い。


「早く二十歳になりてぇな。
最近、コンビニで煙草買うのもよくめんどくセェ事言われるし。
だから、その変緩い決まったコンビニでしか買えねぇし」


篤は着ていたダウンのポケットから、
煙草を取り出すと、
それを咥えて火を点けた。


見ると、近くに何処かの店が設置した灰皿がある。


煙草を吸う、そんな篤の横顔に見惚れてしまった。


「私、篤さんの事…」


そう口にして、言葉を止めた。


今の私は、それ以上の事を口にしてはいけないだろう。


ナツキとの関係をちゃんと終わらせたら、
篤に告白をしよう。


ナツキに殺され無かったら。


そして、玉砕しよう。


そこからは、暫くもう恋愛はいいや。


「さみぃし、ラーメンでも食って帰るか」


「あ、じゃあ駅前のいつも行列出来てる所がいいです」


「そうするか。
この時間ならそこまで並んでねぇだろうし」


「はい」


その後、私達は駅前のそのラーメン屋へと向かった。


篤の後ろを、私が付いて行く。


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