LOVEPAIN⑥
そのバイクの運転手は、
していたフルフェイスのヘルメットを取った。


現れたその見覚えのある顔に、思わず逃げたくなった。


「AV女優、お前こんな所で何してんだよ?」


佐藤雲雀は、私を睨み付ける。


もしかしたら、別に睨んでいるわけではなくて、
ただ、見ているだけかもしれないけど。


ほんと、こんな日に大嫌いな佐藤雲雀に会うなんて。


自分の不運を呪ってしまう。


「一人でふらふらして、男でも引っ掛けようとでもしてんのかよ?」


佐藤雲雀にそう言われて、
もしかしたら、そんなつもりで私はこんな行動を取っているのかと、思った。


一人で居たくない。

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