LOVEPAIN⑥
佐藤雲雀のバイクの後部席に乗り、
彼のウエスト辺りに腕を回す。


TRIANGLEのPV撮影の時も思ったけども、
細い、な。


私は生まれて初めてバイクに乗ったけども、
尋常じゃない程に寒い。


夏ならば快適なのかもしれないが、
真冬の今は、もう手の感覚がないくらいに冷える。


今日はスカートじゃなくパンツスタイルで良かったと、思う。


さっきの佐藤雲雀の後ろに乗っていた女の子、
けっこう短いスカート履いていたけど、
かなり寒かったのではないだろうか。


佐藤雲雀に乗せられたそのバイクのスピードは早く、
車ならばそこまで早く感じないのかもしれないが、
初めの方は胃の辺りがキューとなるくらいに怖かった。



佐藤雲雀は何処に行くか決めて走っているのか、
バイクは何処かを目指すように走っている。


それは、段々と町からは遠ざかっていて、
次第には、山道になって行く。


もう人だけではなくて、
車も見かけなくなり、
本当に地獄に向かっているのかもしれない。

< 389 / 501 >

この作品をシェア

pagetop