LOVEPAIN⑥
「おい、お前まだ生きてるか?」


相変わらず笑っている佐藤雲雀にそう訊かれ、
まだ生きてるか?、って事は、
やはり私はこの人に殺されるのでは、と思ってしまう。


自暴自棄で特に考えもなく佐藤雲雀のバイクに乗ったけど、
それは命懸けの行動だったのか。


「なんか、死にてぇよな」


佐藤雲雀は、その場に寝転ぶ。


この場所は大きな広場で、
枯れているが下は芝生になっている。


真っ暗だけど、広場の中に外灯が所々に有り、
それなりには明るい。


私は佐藤雲雀に釣られるように、寝転んだ。


ほんの少しだけど、星が見える。


「ほんと、お前もそうだけど、うぜぇよな」


多分だけど、今日の佐藤雲雀は何かに腹を立てているのだろう。


私と同じように。


「あの、1つ訊きたいんだけど」


「なに?」


意外にも、佐藤雲雀は私のその問い掛けに、普通に言葉を返してくれた。


「前に打ち上げの時、あんな事があって。
もし、私があれで妊娠してたら、あなたはどうしたの?」


ふと、気になった。


私は以前佐藤雲雀に無理矢理犯され、挙げ句に中で出された。


「そん時は、お前も腹の中のガキもぶっ殺してるに決まってんだろ」


決まってるんだ…。


なんか、訊くんじゃなかった。

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