LOVEPAIN⑥
「ごめんなさい。
花子に会いたくなって篤さんの部屋に行ったんですけど、
そのお姉さんの事てっきり篤さんの彼女だと思い、私達の関係が知られたら行けないと思い、必死で誤魔化したのですが、不審に見えていたんですね」


『待て。
もし姉貴じゃないとしても、俺達の関係が知られたらいけねぇ、ってのが意味分かんねぇ』


そう言われて、ああ、そうかと思った。


私は篤に好意を抱いているから、
勝手にそうやって後ろめたい気持ちになったのか。


『お前、その部屋で喧嘩してたのは、あのイケメンホストか?』


「いえ。涼雅です」

『えっ、なんで?
って、まあ、俺には関係ないけどよ』


まあ、私の喧嘩の相手が涼雅なのは、意外だろうな。


私と涼雅は友達だったから、
友達だからこそ衝突する事なんてなかった。


『つーか、それよりお前、
なんで山なんかにいるんだ?
別に死に場所求めてってわけではねぇんだろ?』


そう言われて、篤は私が自殺でもするんじゃないかと、
心配して電話して来てくれたのだろうか?



「ちょっと山に登ったら、下りれなくなりまして」

『はぁ?』


私は嘘は言ってはいないが、
篤は信じてなさそう。


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