LOVEPAIN⑥
「んな感じだから、今日1日は花子の事頼むな」


「はい」


「お前、はいしか言えねぇのかよ」


「はい…って、いえ…。
あ、そういえば、赤か白どっちが勝ったんでしょうね?」


紅白途中までしか見られ無かったな。


「あ、なんの話だ?
それより、車走らせる前に一本吸っていいか?」


「いいですよ」


そう言うと、篤は車にエンジンをかけて、窓を開けた。


外の空気は車内の空気よりもさらに冷たく、目が覚める。


篤は煙草を咥え、それに火を点ける。

そんな仕草一つ一つに、胸が高鳴る。


「篤さん、今年もよろしくお願いします」


「ん?ああ」


篤はチラリと私を見ると、窓の外を見ている。


ほんの少し篤が照れているように見えたのは、
私の思い過ごしだろうか?




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