LOVEPAIN⑥
休憩が終わり、私は再び撮影のスタジオに戻る。


それを成瀬が付き添ってくれた。


その途中の廊下。


「ーー本当、噂で聞いてたけど、
鈴木広子マジ態度デカイよな」


「最近、鈴木広子に秋原も飽きたみたいで全然名前言わないし、
このままアイツは今年中に企画落ちなんじゃない?」


そう言って笑っている声が、廊下に響いている。


「大丈夫か?」


「何がです?」


私を心配して見る成瀬に、笑い返す。


私は成瀬から離れ、その廊下で悪口を言っていたスタッフの男達の前を通り、スタジオに戻った。


私を見たそのスタッフ達は、私に悪口が聞こえていたんじゃないかと、
焦ったような顔をしていた。


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