LOVEPAIN⑥
気付くと、撮影は終わり、
スタッフの一人が私の体にガウンを着せた。


私はベッドから立ち上がり、スタジオの時計を確認した。


19時25分。



成瀬はもう帰っただろうな。


私はふらふらとしながら、スタジオの出入口へと歩いて行く。


貧血だろうか?なんだか体に力が入らない。


そう思うと、段々と息が苦しくなって来た。


過呼吸…。


焦りで辺りを見渡すけど、私を助けてくれる人は誰も居ない。


私の悪口を言っていたスタッフ達も、
私の異変を感じてこちらを見ている。


息が苦しくてぜぇぜぇとなり、
私は床に足元から崩れた。


心臓がドキドキとして来て、胸が痛くて涙が出て来た。


吐きそうだし、このまま死ぬんじゃないかってくらいに苦しい。


視力が奪われたように、目の前が白くなって行く。


意識が遠退いて行くのが分かった。


そんな私を、誰かが支えるように抱えている。


「…成瀬さん…助けて…」


その言葉を最後に、私の意識は途切れた。

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