LOVEPAIN⑥
再び目を開けると、見慣れない景色に戸惑った。

私はベッドで眠っていて、
横を見るとスツールに座った成瀬がいる。



「気分はどうだ?」


そう訊かれ、今は体調がスッキリしているのを感じた。


先程迄の、強い動機や息苦しさは全くない。


私は意識を無くして、どれくらい眠っていたのだろうか?


ここは…スタジオ?


「成瀬さん…早く行かないと遅刻ですよ?」


私が倒れた時点で、19時25分だった。


私がどれくらい倒れていたのかは分からないけど、
急がないと間に合わない。


「芽衣子には、今日は行けないって連絡したから大丈夫」


「行けないって…」


私は体を起こして成瀬の左腕を掴み、その腕に嵌まる時計で時を確認する。


一瞬見間違えたのかと思ったけど、
夜の 22時を過ぎている。


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