ＬＯＶＥＰＡＩＮ⑥

「あ、私、両親を今日スカイツリーに連れて行く約束してるから。
こっちから呼び出しといてあれだけど、
帰るね」


芽衣子さんはそう言って立ち上がると、


「コーヒー代、慰謝料代わりにご馳走して貰うね」


そう言って、芽衣子さんは成瀬に優しく微笑んでいる。


その芽衣子さんの姿を見ていて、
この人はなんて強い人なんだろう、と思った。


今だって成瀬の事が好きで仕方ないのに、
自分からそうやって別れを切り出して。



「芽衣子、今までありがとう」


「さよなら、遥さん」


芽衣子さんは最高の笑みを残し、
私と成瀬の前から去って行った。