LOVEPAIN⑥
「なんだか、お前の事巻き込んだみたいで悪いな。
俺と芽衣子の問題だから、お前は関係ない」


「はい…」


「俺、芽衣子と別れたからまたお前とどうこうとか思ってないし。
それなりに、芽衣子の事は引きずってるし」


成瀬は両手で、自分の顔を隠すように覆っている。


泣いてはいないけど、泣きたいくらい辛く傷付いている事が分かる。


「俺、もう女はいいや。
恋とか愛とか、もう疲れた」


その成瀬の言葉に、そっと頷いた。


芽衣子さんが居なくなっても、
私とこの人が前のように戻る事はないと、感じた。


気持ちがあろうがなかろうが、
あの時と、私と成瀬は色々と変わったから。


私がまた成瀬を、と思わないように、
この人もきっとそうだろう。


私も成瀬も、その気持ちを心の奥底に押し込み、
それが消え去るのをただ黙って待つだけだろう。


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