LOVEPAIN⑥
「だから、お前チャンスじゃねぇか」
篤のその言葉に、おでんの玉子を箸で割っていた手が止まる。
「成瀬さんが傷心の今、狙わないでどうすんだよ」
以前なら、篤は私と成瀬の関係を知らないから、
そうやって簡単に言ってくれるよな、とか思ったかもしれないけど。
今は、その篤の言葉が私の胸をナイフのようにえぐる。
篤は、私をどう思っているのだろうか?
あの元旦の時と、
一度、この部屋で私の手を握ってくれたけど。
もしかしたら、と思ったのは、
私の勘違いだったのだろうな。
「つーかよ、最近こいつ変なんだよ」
篤は箸を皿に置き、
花子を抱き上げている。
「変って?」
花子がどうしたのだろう?と、不安になる。
「股の辺りに、デキモノみてぇのがあって。
日に日にデカクなってねぇか、これ」
篤は気付いていないけど。
私は少し前から、気付いていた。
花子が実はオスなのだという事を。
最初それが分からなかったのは、
まだ花子があまりにも子猫過ぎたのだろう。
「篤さん、花子は実は太郎なのかもしれませんよ?」
ハッキリとオスなのだと口にしていいものなのか、
ぼんやりとそう伝えた。
「あ?
意味分かんねぇ。
病気じゃなきゃあいいんだけどよ。
ガンとか猫でもあんだろ、きっと」
真剣に花子の事をそう心配している篤を見て、
本当の事が言いづらくなって来た。
篤のその言葉に、おでんの玉子を箸で割っていた手が止まる。
「成瀬さんが傷心の今、狙わないでどうすんだよ」
以前なら、篤は私と成瀬の関係を知らないから、
そうやって簡単に言ってくれるよな、とか思ったかもしれないけど。
今は、その篤の言葉が私の胸をナイフのようにえぐる。
篤は、私をどう思っているのだろうか?
あの元旦の時と、
一度、この部屋で私の手を握ってくれたけど。
もしかしたら、と思ったのは、
私の勘違いだったのだろうな。
「つーかよ、最近こいつ変なんだよ」
篤は箸を皿に置き、
花子を抱き上げている。
「変って?」
花子がどうしたのだろう?と、不安になる。
「股の辺りに、デキモノみてぇのがあって。
日に日にデカクなってねぇか、これ」
篤は気付いていないけど。
私は少し前から、気付いていた。
花子が実はオスなのだという事を。
最初それが分からなかったのは、
まだ花子があまりにも子猫過ぎたのだろう。
「篤さん、花子は実は太郎なのかもしれませんよ?」
ハッキリとオスなのだと口にしていいものなのか、
ぼんやりとそう伝えた。
「あ?
意味分かんねぇ。
病気じゃなきゃあいいんだけどよ。
ガンとか猫でもあんだろ、きっと」
真剣に花子の事をそう心配している篤を見て、
本当の事が言いづらくなって来た。