LOVEPAIN⑥
「別に義理とかいらねぇし。
俺甘い物大嫌いだしよ」


私の気持ちに全く気付いていないその顔が、
驚きで変わる所が見てみたくなる。



「本命ならば、受け取って貰えます?」


私のその言葉に、篤は期待通りの驚いた表情を浮かべていた。


私は言ってしまった後、
篤が何を言うのか怖くて、この場を逃げ出したい気持ちを、
拳を握り抑える。


それは、数秒間の沈黙だったけど、
永遠に感じる程、長く感じた。


「分かった。
本命ならば受け取ってやるよ」


その言葉が耳に届いて、知らずに止めていた息を吐き出した。



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