LOVEPAIN⑥
決戦のバレンタインデー
バレンタインデー。


今日、私は篤にその思いを告げる。


ただ、その前にナツキとの関係を、
完全に終わらせる。


昼の13時。


ナツキはこの時間ならば、大体自分の部屋に居る。



私は合鍵で、ナツキの部屋へと勝手に入った。


今日来る事に、連絡をナツキにしなかったのは、
また避けられたら困るから。


こうやって勝手にナツキの部屋へと来て、
ナツキが居ない以上に、
この部屋で誰かと一緒にナツキが居たらどうしようか、と思っていたけど。


ナツキは一人、寝起きのような雰囲気でソファに寝転んでいた。


見慣れた、黒縁のメガネを掛けている。


私がリビングの扉を開き、
そのナツキに近付いて行くと、

ナツキは体をそっと起こしこちらを振り向いた。



「そういえば、お前ってあんま空気読めないんだっけ?」


私の顔を見て、そう笑っている。


その笑いは、何処か刺々しい物を感じる。


< 454 / 501 >

この作品をシェア

pagetop