LOVEPAIN⑥

「ナツキとちゃんと話したかったから」


私は足を止め、それ以上ナツキに怖くて近付け無かった。



「俺はもうお前とは終わったと思っていたけど。
にしても、バレンタインデーの日に別れ話しに来るって、お前は鬼か何かなの?
あ、この際、付き合ってはないってツッコミはなしにして」


「やっぱり、あのクリスマスの日、
わざとだったんだ」


あのクリスマスの時、ナツキは初めから私に対して、ずっと攻撃的だった。


そして、あの異常な迄の私に対しての執着も、ナツキの演技。


「わざとって言われればそうだけど、嘘は無かった。
本当に広子の事殺してやろう、みたいな気持ちも有ったし。

それに、先生との関係も本当。
女では得られない、背徳的な悦楽を与えてくれるから」


そう言われて、榊原先生とのナツキの関係を思い出した。


「心配しなくても、先生は広子の話した事は俺に何も言ってないから。
あ、それは心配してないか?
なんなら、いっそのこと言っててくれた方が手っ取り早くて良かったとか?
俺の事が重くて煩わしくて、迷惑だし、嫌で仕方ないって」


「そんな事言ってない!」


そう否定したけど、榊原先生にそんな事を言ってはいないけど、
もしかしたら、心の中でナツキの事をそう思っていたのだろうか。



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