LOVEPAIN⑥
「もし、あのクリスマスの日。
私がナツキに私とお揃いでパジャマとかプレゼントしてたら、
どうした?」


「なに、その質問?」


「例えば、の話だから」


「もし、お揃いのパジャマ貰ったら…。
嬉しくて、もう余計な事考えずに、お前にプロポーズでもしたかも」


やはり、ナツキの私に求めていた事は、
そういう事だったんだな、と思った。


「けど、あのネクタイけっこう気に入ってる。
俺によく似合ってるし。
全く俺の事を思ってなかったわけじゃないんだって」


「当たり前じゃない」


私にとってナツキは、本当に大切な人だった。


成瀬よりも篤よりも、ずっと。


だから、なんでこの人を好きになれなかったのか、と思う。


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