LOVEPAIN⑥



夜の20時。


いざ、という気持ちで篤の部屋へと行く。


夕べの私の告白に近いような発言の後、
篤とはお互い恥ずかしいのか殆ど会話が無くなり、
私はすぐに自分の部屋へと逃げるように帰った。


私の本命チョコを受け取ってくれると篤は言ったけど、
どうなるのだろうか?


やはり、私はフラれるのだろうな。


私は手作りのサンドウィッチの載った大きな皿を持ち、
篤の部屋のチャイムを押した。


直ぐに、篤はそのドアを開いた。


「よぉ」


そう言って、先に部屋の奥へと戻って行く。


私はそんな篤の後を追う。


どのタイミングで渡せばいいのだろうか?


私は両手で皿を持ちながら、その右手首に掛かる紙袋を意識する。


それは、バレンタインチョコ。


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