LOVEPAIN⑥
私がサンドウィッチの皿を篤の部屋のテーブルへ置き、
床に座ると、篤の方から話し出した。



「今日早く終わったから、
夕方花子の事病院に連れてったんだけどよ」


「え、花子病気なんですか?」


そう言ってから、もしかして、と思った。


花子がオスだと気付いてない篤は、
それを病気だと思って…。


「お前、驚かずに聞けよ」


そう前置きされるけど、私はきっと驚かない。


「医者の奴が、花子はオスだって言いやがって」


「はい…」


やはり、そうなのだろうな。


「つーか、お前なんで驚かねぇんだよ?」


そう睨まれ、自分が私に驚くなって言った事をもう忘れたのかと、
首を捻る。


その件の花子は今、部屋のすみに折り畳まれた篤の布団の上で、
気持ち良さそうに眠っている。


「あ、そうそう。
最近ずっとお前に夕飯食わせて貰ってるけど、
俺、金出して無かったな、って。

んで、これ」


そう言って、ポン、と数枚の一万円札をテーブルに置いた。


見た感じ、5万円くらいかな?


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