LOVEPAIN⑥
「てめぇ、何勝手に開けてんだ」


もしかして…と疑いが湧く。


この二つのチョコレート、あのユメちゃんとナナちゃんからだとして、

私と同じように、付き合おう的な事を言って、篤は受け取ったんではないだろうか?


篤が私の事を好きだなんて、
おかしいと思った。


「このチョコレートをくれた子達と同じように、
私を騙すつもりだったんですか?」


「はぁ?
てめぇ騙して、俺になんの特があんだよ?」


そう言われると、篤は何が目的で、
私に好きだとか言ったのか、疑問が湧く。


なら、とりあえず、私を好きだと言ってくれた事は信じるとして。


「篤さん、このチョコレートは何ですか?」


ストレートに、訊いてみる。


「てめぇ、急にすげぇ彼女面すんじゃねぇか!」


「だって、私篤さんの彼女なんですよね?」


そう開き直ると、篤はあー、と頭を掻いている。


「今日事務所で貰ったんだよ。
俺はいらねぇって言ったんだけど、無理矢理押し付けられて…」


「へぇ」


昔の私ならば、それで納得したかもしれないけど。


色々と経験した私は、簡単に篤のその言葉を信じられない。


「つーか、今日真っ直ぐ帰って来ただろうがよ。
それが答えだろう」


「そうですけど。
でも、篤さんけっこう遊んでいるし、
いざ篤さんの彼女になって、浮気とか凄く心配なんですけど」


「はぁ?
それはてめぇに言われたかねぇ。
お前だって浮気は経験済みだろうが」


そう凄まれて、
このままだと喧嘩になってしまう、と思い、
我慢するようにギュッと口を閉ざした。


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