LOVEPAIN⑥
「成瀬さん、私が篤と付き合ってるって知って、
やっぱり驚きました?」


「いや」


即座に否定されて、なんで?って思う。


私的に、篤と私って凄い無さそうに感じるから。


「なんとなく、篤とお前が付き合うような気がしてたから」


「成瀬さんは、私が前から篤の事を好きなの気付いてたんですか?」


ナツキのように、
私が自分でも気付かないうちから篤を好きだった事に、
成瀬も知っていたのだろうか?



「いや。お前はずっと俺の事好きだっただろ?」


「はい」


やっぱり、私の気持ちは本人にもバレバレ。


「篤がお前の事好きなのはけっこう前から気付いてたけど」


「そうなんですか?
篤はいつから私の事を?
本人に訊いても、教えてくれないんですよ」


その辺りの質問には、篤は絶対に答えてくれない。


しつこく訊き過ぎて、篤を怒らせてしまったり。


「篤も、初めっから好きだったのかもな」


篤も、のその、も、って言葉が気になるけど、
それは訊かないでおこう。


初めから、か。


成瀬と違い、篤は全くそんな風に見えなかったけどな。


顔を合わす度に、いつも篤は私にキレてたし。


嫌よ嫌よも好きのうち、ってやつなのか。



「俺がお前に余計な事しなければ、
もっと早くに、篤とお前は付き合ってたと思う。
お前らは、自然と惹かれ合ったんじゃないか」


そう言われて考えてみるけど、
それは分からないな。
< 478 / 501 >

この作品をシェア

pagetop