LOVEPAIN⑥
「…おはようございます」


いつものように、私は現場に入ると
スタッフの人達に目も合わせず適当に挨拶を済ます。


「お前、感じ悪ぃな」


横に居る篤は、ちょっと眉間を寄せて私を見ている。


いつも仕事になると私はピリピリとしているけど、
今日はいつも以上にピリピリとしている。


今日の撮影は、WDSの自社スタジオで、
特に設定もなく、スタジオの真ん中に大きなベッドがあるだけみたい。



私は楽屋に荷物を置くと、シャワーやメイクや着替えを済ませ、そのままスタジオに入る。


そこには篤の姿はなくて、
もう別室でモニターを見ているのかもしれない。


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