LOVEPAIN⑥
「頑固。
これが俺じゃなくて、
成瀬さんが言ったら行くんじゃないの?」
「いや、そんな事…」
そんな事はないけど
私を見るナツキの目が怒っているように見えて、
言葉に詰まる
「ま、どうでもいいけど。
行く気になったら、
ちゃんとした病院紹介するから」
私が何かを言う前に、
ナツキは私から顔を逸らした
私に回していたその手も離れて行く
こんな時に、私は何も言えない
もし、成瀬なんかよりもナツキの方が好きならば、
必死に否定したり、
ナツキのご機嫌をとるのだけど……
中途半端に期待させるような事は、
口にしたらいけないような気がして
本当にナツキの事は、
誰よりも一番大切なんだけどな
その感情は、
恋人と友達の中間みたいな感覚で
血の繋がらない、
家族みたいな感覚なのかもしれない