LOVEPAIN⑥


「大丈夫か?」


再びそう訊かれて、
頷いた



手足が痺れているからまだ立てそうにはないけど、

体は楽になって来た



体が暑くて、ダウンを着ているからか、

汗が出て来る




「一応、救急車呼ぶか?」


和真さんはスーツのポケットからスマートフォンを、

取り出した




「呼ばないでください。

大丈夫なんで……」



救急車を呼んで、
そんな時に成瀬が此処を通ったら



成瀬だけじゃなく、
芽衣子さんや篤……



誰かから、その事が成瀬の耳に入ったら



私の過呼吸の事を、
成瀬に知られる



そうなったら、

AVの仕事を辞めろと言われるかもしれない



そんな状態で、
続けられないって判断されて




辞めて、成瀬と離れたくない




それよりも、もし――




もし私がそんな風になっていても、

成瀬がAVを辞めろと言ってくれなかったら……



むしろ、その方が私は怖い




成瀬にとって、私はただの仕事の道具なんだと、

それを突き付けられて
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