LOVEPAIN⑥
「予約していた、
鈴木広子ですけど」
私は病院に入ると受付の若い女性に、
保険証を渡した
健康が自慢の私は、
子供の時からあまり病院にかかった事がないので、
病院の雰囲気にはあまり馴染めない
病院独特の雰囲気で、
自分が病気なのだとさらに感じてしまうから
最近は産婦人科にはよく行くけど、
そちらは目的が性病の検査だけなので、
それ程気負う感じがない
「はい。
お待ちしておりました。
それでは、こちらの初診問診票に記入をお願いします。
お席にお掛けになって、
どうぞ」
「はい」
私はボードに挟まったそれとボールペンを受け取り、
受付の前の待ち合いスペースのソファーを見た
一人の中年の女性が、
座っている
この病院は、
ナツキのあの時のメールに一緒に書いていたが、
完全予約制みたい
なので、診察を終え薬を待つ人なのかもしれない